電車通勤時の腹痛、出張先での便秘。もしかして過敏性腸症候群(IBS)かもよ!

過敏性腸症候群(IBS)

片道1時間くらいの電車通勤サラリーマンなんてこのご時世では珍しくありません。

特に都心郊外に住んでいる、働き盛りの30代男性として基本スペックと言っていいでしょう。

そんな「これから仕事で憂鬱だ・・・」という電車通勤時に”急にお腹が痛くなる”現象で悩んでいませんか?

実は、ストレスを抱えやすい20,30代のサリーマン男性でこういった腹痛で悩んでいる人は多いんですよ。

そして、その腹痛は「過敏性腸症候群(かびんせいちょうしょうこうぐん)」という列記とした病気の可能性があるんです。

簡単に言ってしまえば、ストレス性の腹痛なんですが、放っておくと一生付きまとってくる厄介な病気・症状です。

今回はそんな20~30代に多いとされている過敏性腸症候群について紹介したいと思います。

  • 緊張や不安でお腹が痛くなることがある・・・
  • ある場所やシーンになると毎回お腹が痛くなる・・・
  • 基本的に下痢気味(柔らかい)の排便だ・・・
  • 出張や旅行に行くとなぜか便秘になってしまう・・・

こういった事に少しでも身に覚えがある人は、ぜひ最後まで読んでください。

また、過敏性腸症候群は適切に治療を行えば治る病気です。

甘く見て慢性化してしまい、重症化&治療が長引く恐れもあるので、少しでも腹痛・便秘・下痢気味に心当たりがある場合は疑ってかかりましょう。

過敏性腸症候群(IBS)はこんな病気だ!

「過敏性腸症候群」…なんとも覚えにくい名前ですね。

英語だと「Irritable Bowel Syndrome」という名前で、過敏性腸症候群を別名「IBS」と言ったりします。

この過敏性腸症候群(IBS)ですが、大なり小なり誰でも似たような症状は経験しているんです。

いわゆる、「緊張などでお腹が痛くなる」っていうのは、過敏性腸症候群の症状では1つです。

腹痛なんていう症状としては誰でもあり得ますが、肝は”症候群”ってとこで、そういった腹痛が、いつでも・どこでも・何度でも起こりうるってことです。

それでは過敏性腸症候群の特徴について詳しく紹介していきましょう。

「腹痛」「下痢」「便秘」は過敏性腸症候群の代表的な症状!

過敏性腸症候群の症状は誰でも1度は経験したことがあるようなものです。

症状としては腹痛、下痢、便秘の3つです。

全ての症状が伴う人もいますし、腹痛だけという人もいます。

しかし、こういった症状があって、病院に行って腸や身体の検査をしても異常が見当たらずに何度も腹痛などの症状が起こる場合は過敏性腸症候群の疑いがあるといえます。。

また、過敏性腸症候群はこういった症状が「何処で」「どんな時に」に起こるのかが特徴になります。

腹痛パターン

  • 会社や学校に行こうと思った途端にお腹が痛くなる。
  • 通勤時の電車で毎回、お腹が痛くなる。
  • 車運転時に渋滞に出くわすとお腹が痛くなる。
  • 同じシチュエーションになると腹痛が襲ってくる。
  • ふと腹痛のことを思い出すとお腹が痛くなる。
  • 面接、試験などの本番前・本番中に腹痛が襲ってくる

下痢パターン

  • 基本的に下痢(下痢気味)
  • 何か不安なことが起こると、下痢になってしまう。
  • 緊張する機会があるスケジュールが入るとそれまでずっと下痢になる。
  • 便秘だったり、下痢になったりを交互に繰り返す。
  • 突然、便意を催し下痢が襲ってくる。

便秘のパターン

  • 出張や旅行に行くと便秘になる。
  • 生活リズムに少し変化があると便秘になる。
  • 慢性的に便秘。
  • 排便はあってもコロコロしたウサギのようなうんち。
  • ストレスを感じることがあると、それ以降便秘になってしまう。

腹痛、下痢、便秘という症状もありますが、上記のように「何処で?どんな時に?」といったようにシチュエーションによって症状が現れるのも過敏性腸症候群の特徴になります。

これは過敏性腸症候群の大きな原因がストレスなどによるメンタル的な部分が大きいからなんです。

過敏性腸症候群の原因については下記で詳しく紹介しています。

日本人の10~20%が過敏性腸症候群

日本人の10~20%が過敏性腸症候群だと言われています。

男女比では大きな差はありませんが、20代~30代の人が比較的に多いうデータがあります。

日本の人口の10~15%の人が過敏性腸症候群の症状を持っていると言われています。男性では下痢型の過敏性腸症候群の割合が、女性では便秘型過敏性腸症候群の割合が高い傾向が認められています。

お薬のしおり|過敏性腸症候群について

上記の情報だと10~15%となっていますが、近年では中高年の人にも多くなり、日本人の10~20%が過敏性腸症候群の症状で悩んでいると言われています。

ストレスが大きく関係している症状・病気なので、20代の新米サラリーマンや30,40代の中堅サラリーマンなどは自分で気づかないうちに過敏性腸症候群になっている可能性もあります。

では、次に「なぜストレスによって腹痛や下痢、便秘が起こるのか?」という事を腸の仕組みを用いて説明しましょう。

過敏性腸症候群の仕組みと3つ原因!

ズバリ!過敏性腸症候群の原因は3つ。

  1. ストレス
  2. 感染性腸炎
  3. 腸内細菌

この内のどれか1つが原因で過敏性腸症候群を引き起こしている可能しもあるし、2つ,3つが重なりあって、症状を引き起こしているんです。

どういった理屈で過敏性腸症候群による腹痛・下痢・便秘といった症状が現れるのかイメージしやすいように、まずは簡単に過敏性腸症候群&腸の仕組みを説明しましょう。

過敏性腸症候群の仕組み

まず、人間の腸は大腸と小腸の2つに別れいて、大腸と小腸では働きが違います。

そして、過敏性腸症候群に関係しているのは大腸の方です。

また、大腸は脳と自律神経によって密接に繋がって、あらゆる情報をやり取りしている”脳のお得意先”ということを覚えておきましょう。

過敏性腸症候群-腸と脳(自律神経)-

腸に任されている仕事は皆さんご存知の通り「食べ物を消化して排便させる」ことです。

食べ物は小腸から大腸へと送られる順序になっていますが、この時に食べた物が大腸に移動すると、自律神経を介して腸の動きがコントロールされるようになります。

過敏性腸症候群-大腸の動き-

通常であれば、食べた物が小腸から大腸へ移動して肛門へたどり着くまでに、少しづつ水分を吸収していって、活きが良いうんちを作り上げてくれます。

これが最終的に排便となって大腸の仕事は完了となります。

しかし、大腸の仕事中に脳が大きなストレスを感じてしまうと、大腸は円滑に自分の仕事をすることができなくなってしまうんです。

これによって腹痛や下痢・便秘といった過敏性腸症候群の症状が現れます。

それではストレスを受けるとなぜ、大腸は自分の仕事ができなくなるのかを具体的に紹介しましょう。

過敏性腸症候群の主な原因はストレスだ!

人間はストレスを感じると、脳内にストレスに関するホルモンを分泌します。

(ストレスに関係するホルモンとはノルアドレナリン、アドレナリンなど)

そして、このホルモンが脳と大腸のパイプ役を担っている自律神経を刺激し、「ストレスを受けたぞ~」という情報を大腸へと伝えることになります。

これがストレスが過敏性腸症候群を引き起こす原因である根拠であり、仕組みになります。

ストレスで大腸が急がされて下痢になる

過敏性腸症候群-下痢の時-

ストレスを自律神経から感じ取った大腸は、何かに急かされたかのように急いで食べた物を肛門まで送ろうとします。

つまり、食べ物の移動ペースが早くなるんです。

通常であれば、ゆっくりとある程度の時間をかけて肛門まで運ぶことで必要な水分を大腸が吸収して活きの良いうんちが作ります。

しかし、腸の動きが早くなっているので、水分を十分に吸収できないんです。

よって、下痢となって排便されしまいます。

ストレスで大腸の動きがゆっくりになると便秘になる

過敏性腸症候群-便秘の動き

逆にストレスによって大腸の動きが遅くなってしまう場合もあります。

ストレスによって「大腸の動きが早くなる」のではなく、「ストレスで動きが乱れてしまう」のが真相です。

だから、大腸の動きが早くなる人もいるし、遅くなる人もいます。

過敏性腸症候群の症状に下痢と便秘の対極が一緒に存在しているのはこういった理由からなんです。

大腸の動きがゆっくりになると、食べた物の移動ペースがゆっくりになり大腸はたくさん水分を吸収することができます。

よって、うんちが硬くなってしまいコロコロうんちになったり、水分が少ないので排便しにくくなるので便秘へと繋がります。

そもそも、動きが遅いのでなかなか肛門まで辿り着かないこともあり便秘になります。

ストレスで大腸がお祭り状態になり腹痛が起こる

ストレスはとにかく大腸の動きを乱します。

急に活発に動かせたり、眠ったように遅くなったり。

こういった大腸の動きがハイ&ローのお祭り状態なり、急激に収縮することで腹痛となって現れます。

また、大きなストレスが感じると、それに匹敵する値で脳は大腸へその情報を伝えます。

これによって、「通勤電車時に急激にお腹が痛くなる」「試験・面接の直前に激しい腹痛が襲ってくる」といった症状が現れます。

緊張や不安といったストレスが引き金となって腹痛が起こされているんです。

自分で気づかないストレスでも大腸は気づいている!

ストレスと言ってもいくつか種類があると思います。

過敏性腸症候群に関わるストレスは大きく別けて4つ。

1.不安
電車や車の渋滞などでまた腹痛がくるかもしれないという不安によるストレス。
2.緊張
会社でのプレゼン、重要な試験や取引などにおける緊張によるストレス。
3.抑うつ
今日も1日辛い仕事が始まるという感情、日曜日のサザエさんのエンディング曲を聞いた時の気分などのストレス。(サザエさん症候群
4.周囲への過剰適応
接待などでの過剰な気遣い、周囲に気を使いすぎて自分の感情や意見を我慢する時のストレス。

ストレスは自分で感じ取れるほど大きいなものもありますが、自分では気づかない程度のストレスもあります。

人によって違いますが、本人がストレスと感じていなくても、脳は感じて大腸へと伝えることで過敏性腸症候群の症状が現れるんです。

過敏性腸症候群の原因は”腸”自体にも問題がある

過敏性腸症候群の主な原因はストレスで間違いありませんが、実は腸にも問題があるんです。

ココロだけの問題ではありません。

腸そのものが通常よりも敏感に反応してしまう状態になっていると、普通の人なら何とも無い事や我慢できる程度の刺激でも過剰に腸が反応してしまいます。

この過敏な状態が続くことで腹痛・下痢・便秘になってしまうんです。

腸が敏感になるのは感染性腸炎が原因

感染性腸炎とは細菌やウイルスによって腸が炎症を起こしてしまっている状態です。

・サルモネラ腸炎
卵や豚肉、鶏肉、牛肉などにいるサルモネラ菌が腸に感染することで起こる腸炎。
・カンピロバクター腸炎
鳥や犬・猫などの腸に存在しているカンピロバクターという細菌に感染することで起こる腸炎。鶏肉は主要な感染源とされています。
・赤痢
経口感染から赤痢菌が感染することで起こる急性腸炎。

などが代表的な感染性腸炎で、最近よく耳にする「ノロウイルス」も数日で治りますが、その後に軽い感染性腸炎になることだってあります。

どの腸炎も治療すれば治りますし、腸炎による症状はなくなります。

しかし、こういった細菌やウイルスなどによって腸炎にかかると、症状がなくなったとしても軽い炎症は続いている場合があるんです。

そうなると、腸は完全な健康状態ではないので、とても敏感に脳が受けるストレスを感じ取ってしまい過敏性腸症候群の症状が現れやすくなります。

感染性腸炎にかかっても100%過敏性腸症候群になるわけではない!

感染性腸炎の治療後による軽い炎症が、過敏性腸症候群を引越す可能性はありますが、過剰なストレスがなければ、感染性腸炎になったとしても過敏性腸症候群を発症することはありません。

つまり、過剰にストレスがかかっている人や神経質な人は感染性腸炎を”きっかけ”にして過敏性腸症候群を引き起こす可能性があるんです。

どちらにせよストレスがなかれば、過敏性腸症候群は成り立たないわけです。

だから、主な原因はストレスとされています。

腸内細菌のバランスが過敏性腸症候群の原因になることも

抗菌薬などを服用している人に可能性がある原因です。

我々、人間の腸内には「悪玉菌」「善玉菌」と呼ばれる腸内細菌が存在しています。

しかし、抗菌薬などを服用している場合、悪玉菌と善玉菌のバランスが崩れてしまう恐れがあります。

その結果、腸内に悪玉菌が多くなり、その毒素によって腸炎同様に腸が敏感になってしまうんです。

また、ストレスによっても悪玉菌と善玉菌のバランスが崩れることも明らかになっています。

ストレスによって腸内菌叢が変化することも多く報告されています。

同様の菌叢変化は、強いストレスを受ける宇宙飛行士を対象に調べられています。その菌叢は宇宙飛行前から変化を見せ始め、飛行中にはさらに異常が認められ、ラクトバチルス属乳酸菌およびビフィズス菌の減少と大腸菌群および食中毒細菌であるウェルシュ菌が増加したことが報告されています。

概して、ストレスによって乳酸菌やビフィズス菌などの善玉菌が減少し、大腸菌やその他の悪玉菌が増加するようです。

ストレスと腸内細菌(P6)|指原紀宏(明治研究本部食機能科学研究所)

腸内細菌が原因にしても、ストレスは無関係ではないんです。

もはや、「ストレスなしに腸の健康」は語れないと言っていいでしょう。

脳と腸の悪循環が慢性的な過敏性腸症候群を引き起こす

過敏性腸症候群になってしまう原因や仕組みは上記で説明したとおりです。

しかし、過敏性腸症候群による恐怖これだけはありません。

過敏性腸症候群が厄介だと言われる由縁は”慢性化してしまう”という点になります。

腸は第二の脳と呼ばれるほど、多くの神経が張り巡らされている臓器です。

だからこそ、ストレスによって大きく影響され、腹痛や下痢・便秘といった症状が引き起こされるわけです。

しかし、これは「逆もしかり」なんです。

腸に対して過剰な刺激が加わると、その情報は腸の神経を伝って脳へと送り返されるんです。

これにより、脳はまたしても大きなストレスを感じてしまいます。

そうなると、脳は腸から伝えられたストレスに対して、ホルモンを分泌してそのストレス刺激を腸へと伝えてしまうんです。

  1. ストレスがあると脳から腸へ伝達される
  2. 腸は刺激を受けて過剰に動き出す
  3. 刺激を受けたことを腸は脳へ伝達する
  4. その情報を受けて脳はますますストレスを感じて腸へ伝える

以後、このループが続く。。。

まさに悪循環。

脳と腸による負のスパイラルが繰り広げられるんです。

この一連の流れによって、過敏性腸症候群は慢性化の一歩を辿ることになります。

また、慢性化してしまった、過敏性腸症候群はうつ病や不安症といった精神疾患を発症させる可能性があるんです。

ちなみに、「過敏性腸症候群の患者の1/3はうつ症状を伴っている」という報告もあります。

日本国民の10~20%が過敏性腸症候群と言われていますが、実際に過敏性腸症候群の治療を行っている人はそれほど多くはありません。

市販の薬でなんとかしているのが現状です。

確かに、過敏性腸症候群は直接的に命へ別状がある症状・病気ではありません。

しかし、慢性化してしまうと、一生、同じ症状で悩まされるほど厄介な病気であり、最悪の場合は精神疾患を併病する恐れがあるということを覚えておきましょう。

また、「治療が可能な病気」ということもお忘れなく!

こんな人は過敏性腸症候群になりやすいから注意!

察しが良い人はもうお気づきでしょうが、過敏性腸症候群になりやすい体質の人がいます。

ズバリ!
”ストレスを感じやすい体質・性格の人。”

過敏性腸症候群の原因や仕組みから見ても問答無用でストレス体質の人がリスクが高いです。

元々ストレスを溜め込みやすい人、感じやすい人という体質は過敏性腸症候群の格好の餌食になります。

しかし、先天性の体質や性格だけじゃなく、過度なストレスがかかる状況が多い人、そういった状態が
長く続いている人も過敏性腸症候群リスクは高いといえます。

  • 働き盛りの20~30代の人
  • 周囲に合わせがちな人
  • 几帳面で神経質な人
  • 慢性的に時間に追われている人
  • 生活の変化、環境の変化についていきにくい人
  • 複雑な対人関係の環境に置かれている人
  • 自分の気持ちや感情を上手く言葉で表現できない人

こういった人はストレスが感じやすい人であり、ストレスを感じやすい状況にあるので覚えておきましょう。

過敏性腸症候群の診断チェック

腹痛、下痢、便秘に少しでも心当たりがある人は簡単な過敏性腸症候群チェックを行ってみましょう。

診断結果で完全に過敏性腸症候群と判断できるわけではありませんが、医療機関でも用いられているチェック方法なので過敏性腸症候群にかかっているかの目安にはなると思います。

過敏性腸症候群-チェック-

ポイントとしては「お腹の痛み・不快感が月に何度あって、それが続くことがあるのか?」という点。

これが過敏性腸症候群の1次審査です。

そういったお腹の症状が、「排便するとどうなるのか?」というのも精神的な要因が大きい過敏性腸症候群には大切なチェック項目になります。

あとは、排便の数、排便の質というものが見極めるポイントです。

この簡易チェックで、「過敏性腸症候群の可能性がある」となった人は、病院で診察してもらうことをおすすめします。

過敏性腸症候群の疑いがあるならまずは消化器内科!

過敏性腸症候群の疑いがある場合は、とりあえず、家の近くにある消化器内科を受診してみましょう。

かかりつけの消化器内科がある人はそこで診てもらうんがベスト。

しかし、医療機関に行っても過敏性腸症候群の場合、ガンや腫瘍などのように目に見える原因がないので、医師も「疲労やストレスからくる~云々」と言って重点的に見てくれないという可能性もあります。

そういった場合は、日本神経消化器学会の役員名簿に記載してある病院を確認して、改めて受診してみましょう。

ここに記載してある病院は、いわば「過敏性腸症候群のプロフェッショナル」です。

日本の消化器官における最高峰の病院だと思ってください。

間違いなく「過敏性腸症候群だ!」と思えるほど症状がある人は、いきなり名簿にある病院を受診したほうが手っ取り早いかもしれません。

また、重度の過敏性腸症候群の場合は、うつ病・不安症などの併病もあり得るため、心理療法も必要になります。

そういった場合は心療内科がおすすめです。

過敏性腸症候群(IBS)は治療できる病気!

ここまで、過敏性腸症候群について恐怖心を植え付ける内容となりました。

「あれ、もしかして俺、過敏性腸症候群かも?」と思えた人もいたんじゃないですか?

ビビらせてすみません。。。

でも、安心てください!

過敏性腸症候群は治る症状・病気ですよ!

それでは、過敏性腸症候群の治療や症状を和らげる方法などを詳しく紹介していきましょう。一応、消化器科の医者が実際に行う治療や改善方法なので、安心して実行してください。

過敏性腸症候群の治療方法は大きく別けて4つ。

過敏性腸症候群の治療や改善方法は4つに別れています。

自分で行える方法、病院に行かないとできない方法があるので、「もしかして??過敏性腸症候群かも」っていうレベルの人は簡単にできる私生活の改善方法から試してみましょう。

  1. 生活習慣で治療(自分でできる。)
  2. 食事の変化で治療(自分でできる。)
  3. 薬で治療(病院に行かないとできない。)
  4. 診療療法で治療(病院にいないとできない。)

過敏性腸症候群の治療はこの4つを柱にして、組み合わせながら治療が進められていきます。

生活習慣と食事に関しては自分でもポイントを抑えれば、実行できる方法です。

しかし、病院に行って医者の指導のもとで行ったほうが効果的なのは間違いありません。できることなら、全て医者のアドバイスのもとで行ったほうが良いってことはお忘れなく。

「俺、過敏性腸症候群なのかもしれないな・・・」ていう感じの、まだ軽い自覚症状の人は、生活習慣と食事の改善方法で症状が和らぐかもしれないので、実行してみてください。

治療方法は人によって違うし、長引く可能性があることがあるので注意!

過敏性腸症候群は治る病気であり、適切な治療で症状を抑えることができます。

しかし、ストレスなどの精神的な要因が大きな引き金となっているので、的確な治療方法はその人によって大きくことなります。

つまり、人によって治療が長引く可能性も十分あり得る話ってこと。

  • 「こういった性格の人には、この治療法が最適。」
  • 「こんな生活習慣の人には、この治療法から試すべき。」
  • 「症状がひどい人はなら、この治療法は意味が無いかも。」

などなど。過敏性腸症候群の治療法は十人十色です。

そして、そういった個人の特性を分析し、その人にあった的確な治療法・手順を行ってくれるプロフェッショナルが医者になります。

病院に行く時間がない人、病院に行くのが億劫だという人もたくさんいると思いますが、「治療が長引く可能性」「治療法が人によって異なる」という特性もあるので、プロの力に頼った方がスムーズに治療が進めらるってことは覚えておきましょう。

それでは、上記でピックアップした4つの治療方法を詳しく紹介していきます。

生活習慣の変えることで過敏性腸症候群の症状は改善する!

何の病気や症状でも、重要とされる生活習慣の改善。

過敏性腸症候群も治療法として生活習慣の改善は重視されます。

生活習慣の改善と聞いて、あまりよい印象を持たない人は多いのじゃありませんか?

「また、生活習慣かよ・・・」「簡単に改善できるなら、すぐにやっているわ(怒)」

生活習慣の改善って言葉が使われ過ぎていて、うんざりしてしまう気持ちはよくわかります。

しかも、医者や健康番組、雑誌などで「〇〇な生活習慣を心がけることが大切」「〇〇な生活は寿命を3年も短くしている」みたいなことを言われると、どの生活習慣が正しいのかなんて細かすぎて覚えきれません。

ましてや、それを実行するなんて想像するだけで憂鬱になります。

でも、大丈夫です。

過敏性腸症候群における生活習慣改善のポイントは2つだけ。

良い悪いが錯綜する生活習慣ですが、2つだけで腹痛や下痢・便秘などの症状が少しでも和らぐのであれば、試してみる価値はあると思いませんか?

それでは、その2つの生活習慣を詳しく紹介していきましょう。

1.適度な運動が過敏性腸症候群の症状を和らげる(※データ報告あり)

1つ目の生活習慣改善ポイントは「運動」です。

生活習慣改善で「適度な運動」は何度も耳にしたことがあると思いますが、過敏性腸症候群の症状を和らげる治療法の1つです。

なによりも、過敏性腸症候群の患者が適度な運動を続けることで、強い症状が和らいだという報告があります。

過敏性腸症候群-運動後と運動前-

これは、過敏性腸症候群の患者が3ヶ月間ある運動プログラムを続けた時の「症状の変化」をグラフにしたもの。

その運動プロググラムというのが、

  • 有酸素運動を20分~1時間。
  • これを週3~5日行う。

という簡単な内容。

これだけで3ヶ月後に症状が改善したというのだから、やる価値は大いにあると言えます。

運動は、体力を向上させる手段となる。また、過度な運動が健康を害することもあるが、適度な運動の習慣化により、ストレスに対する抵抗力を増し、ストレス自体を減少させる効果がある。

引用:運動と健康のかかわり

また、運動は腸の消化運動を司っている自律神経系に良い刺激を与えるんです。

身体の方からストレスや精神部分にアプローチするというのが運動をオススメ理由なんです。

2.生活リズムを整えると過敏性腸症候群の症状が改善される

生活習慣の中でも重要視されるのが生活リズムです。

いつ起きて、いつ食事をして、いつ仕事をして、いつ休んで、いつ寝るのか?ってことです。

ストレスを過度に受けたり、ストレスを上手に受け流すことができない人は、この生活リズムが不安定になっていることが多く、過敏性腸症候群の症状を引き起こしている可能性があります。

だから、生活リズムの改善が過敏性腸症候群の症状を和らげる治療法として取り入れられています。

生活リズムを整えたり、一定のリズムにするコツは、

  1. 起床時間(朝起きる時間)
  2. 3度の食事(ご飯を食べる時間)
  3. 就寝時間(夜寝る時間)

を一緒にすることです。

この3つを一定のリズムにすることで、生活リズム全体が一定になりやすくなります。

すると、十分な睡眠、疲労回復、休養、免疫力アップなど繋がり、日常生活のストレスの影響を受けにくくなるんです。

食事・食品を気をつけることで過敏性腸症候群は改善する!

食生活も生活習慣の一部ではありますが、過敏性腸症候群の治療として生活習慣と別けて考えるほど重要な役割になります。

そもそも、過敏性腸症候群の症状は腸がお祭り状態になって、てんやわんやすることで起こる病気です。

人間が食べたものは腸を通り、消化されて排便するという流れになります。

だから、もし食べ物や食品によって、腸に大きな負担をかけているのであれば、食生活の改善だけで過敏性腸症候群の症状は和らぐかもしれないんです。

過敏性腸症候群にとって、良い食べ物、悪い食べ物の両方あるので紹介していきます。

「低FODMAP食」という医者が過敏性腸症候群の患者に勧める食事法

過敏性腸症候群の食事療法で推奨されるのが低FODMAP食(ていフォドマップしょく)というものです。

あまり聞き覚えのないフレーズだと思います。

フォドマップ(FODMAP)とは、

FO → fermentable oligosaccharides 発酵性オリゴ糖
D → disaccharides 二糖類
M → monosaccharaides 単糖類
A → and
P → polyol ポリオール

の頭文字で作られた用語で、これら糖分(単糖、二糖、オリゴ糖、多糖)を控える食事が低FODMAP食と呼ばれています。

反対に、高FODMAP食は過敏性腸症候群に悪いということです。

つまり、過敏性腸症候群の人に悪い食べ物=高FODMAP食になります。

過敏性腸症候群に悪い食べ物(高FODMAP食)

過敏性腸症候群に悪い食べ物は「糖」を多く含んだものになります。

それでは、単糖、二糖、オリゴ糖、多糖など”糖”を含んだ代表的な食品を見ていきましょう。

糖類 多く含まれる食品
果糖 小麦、たまねぎ、カシューナッツ、ピスタチオなど
乳糖 牛乳、ヨーグルト、チーズ、他乳製品など
オリゴ糖 ひよこマメ、レンズ豆、たまねぎ、とうもろこし、アスパラなど

これらの食品には糖が多く含まれており、過敏性腸症候群の人は控えた方が良い言われています。

また、加工品にも糖は多く含まれています。

加工食品の中にあるソルビトール、マンニトール、果糖、乳頭などは単糖の一種になります。

加工食品の成分表に記載されてあるので、過敏性腸症候群の人は加工食品を食べる際はチェックするように心がけましょう。

なぜ糖類は過敏性腸症候群に悪いのか?

オリゴ糖や果糖などの糖類は食べると、腸に移動した際、腸の中で発酵してしまいます。

そのせいで、腹痛や下痢などお腹が張ってしまうんです。

腸が敏感になっている過敏性腸症候群の人は少しの発酵でも刺激として捉えてしまうので、腹痛やお腹の違和感などの症状を悪化させてしまう恐れがあるんです。

だからこそ、糖類を控える低FODMAP食が過敏性腸症候群の治療に用いられているんです。

しかも、この食事法によって過敏性腸症候群が治ったというデータもあるくらい効果的なものなんです。

「絶対に糖類を食べてはいけない」わけではないので安心してください。

上記でリストアップした糖分が多く含まれる食品を食べないようにするって少しむずかしいですよね?

でも、低FODMAP食というのは、これらの食品を全く食べないわけじゃなく、たくさん食べている心当たりがあるなら減らしていこうというスタンスです。

つまり、糖を多く含む食品が全てダメというわけではありません。

人によって腸の動き方や性質は違います。

何の糖類がその人の腸に悪影響を与えているのかも人によって違うんです。

例えば、

玉ねぎを食べると腸の調子が悪くなるという人は控えるようにする。
牛乳を飲むと下痢になるから乳製品を控えるようにする。

といったように簡単に捉えて大丈夫です。

糖類を多く含む食品を食べても、腹痛・下痢・腸の違和感などがなければ、全く問題はないので食べてもOKです。

少し面倒ですが、高フォドマップ食品を食べて腸の調子を1つ1つ確かめるのが、自分の腸に合わない食品を見つける唯一の方法です。

そうやって見つけた、自分の腸に合わない食品だけを食べないようにしましょう。

他にも、コーヒーやアルコールなども腸に負担がかかる食品です。

  • 脂質が多い食事
  • コーヒー
  • アルコール
  • 香辛料(辛いもの)

これらは腹痛や便通症状が悪化する恐れがあるので、控えるように心がけましょう。

また、日常生活で食べ物を細かく区分してしまうと、返ってストレスになる傾向にあります。

腸を刺激しないというのも大切ですが、過敏性腸症候群の一番の原因はストレスです。

そうなると、食品の制限が過敏性腸症候群を悪化させかねないので、無理がない範囲で続けていきましょう。

逆に過敏性腸症候群に良い食べ物

過敏性腸症候群に悪い食品ばかりフューチャーして紹介しましたが、今度は過敏性腸症候群に良い食品や食べ物を紹介していきます。

しかし、良い食品を食べるよりも、悪い食品を食べないようにする方がずっと効果的だということを覚えておいてください。

また、過敏性腸症候群に良い食べ物だからと言って食べ過ぎると本末転倒です。

栄養や食生活が偏らない程度に適量を気をつけて食べるようにしましょう。

・水溶性食物繊維
アボカド、オクラ、きのこ類、海藻類などに多く含まれている成分で、下痢や便秘にも役立つので積極的に食べるようにしましょう。

ただし、きのこや海藻類にはFODMAPが含まれている種類もあるので注意が必要が必要です。

これも食べて調子が悪くなるのであれば控えましょう。

・乳酸菌(ビフィズス菌)
言わずと知れた、ヨーグルトが多く含まれている食品です。

腸内の環境が整えられて、症状の改善があるので、継続的に摂取するがおすすめです。

「牛乳はだめなのにヨーグルトはOKって矛盾してない?」と疑問に思う人も多いかと思います。

上記で説明したように、乳製品に入っている乳糖が全ての人に悪影響を及ぼすわけではありません。

人によって何の食品が腸へ負担をかけるかは違います。

だから、ヨーグルト食べて腹痛や便通への悪影響がなければ全然OKです。

治療薬で過敏性腸症候群を治す!

生活習慣と食生活の治療は、自分でできる過敏性腸症候群の改善方法でしたが、治療薬は医者の支持のもとで行うしかありません。

基本的に病院に行って過敏性腸症候群の疑いがあると診断されても、よほど症状がひどくない限りいきなり治療薬が処方されることはありません。

生活習慣や食生活で症状が和らがない、改善しないという人が薬による治療になります。

だから、生活習慣・食生活の治療法と同時進行で薬治療も始まるという流れが一般的です。

過敏性腸症候群の治療薬の種類は大きく4タイプ

過敏性腸症候群の治療薬と言っても、1つではありません。

また、過敏性腸症候群の症状によって薬の種類は変わってきます。

代表的な症状に腹痛、下痢、便秘の3つがありますが、この3つの症状で効果的な治療薬は違います。

また、この治療薬でも改善がみられない場合は、抗うつ薬、抗不安薬といった脳に作用する治療薬が用いられるようになります。

基本的に作用が弱い治療薬から使って、様子を見ていきますが、それでも症状の改善がない場合は強い作用の薬にシフトしていく流れです。

その最終形態が抗うつ薬、抗不安薬といった脳に作用する治療薬になると思っていいでしょう。

下痢症状がひどい場合の薬

過敏性腸症候群の中でも下痢の症状が強い人は「セロトニン3受容体の拮抗薬」が処方されます。

過敏性腸症候群の人はストレスによって腸の中でセレトニンという物質がたくさん放出されているので、セロトニン3受容体の拮抗薬はその物質を抑える薬になります。

セレトニンはストレスに対抗して脳が分泌する神経伝達物質(ホルモン)です。

過敏性腸症候群の人はこのセレトニンがガンガンに分泌されていて、これが原因で腸がお祭り状態になり、おかしな運動をしてしまうんです。

薬でセレトニンを抑えることで、下痢・腹痛といった症状を和らげるという仕組みです。

ちなみに、今まで男しか使えない治療薬だったのですが、2015年5月に女性でも使えるようになりました。

下痢タイプ過敏性腸症候群の女性には嬉しいお知らせですね。

このセロトニン3受容体の拮抗薬で症状の改善がない場合は、下痢を止める止痢剤を使う治療になります。

便秘症状がひどい場合の薬

過敏性腸症候群の便秘症状が強い場合は、粘膜上皮機能変容薬(ルビプロストン)という薬が処方されます。

便を柔らかくする作用があり、この効果によって排便を促すという仕組みです。

この薬は日本で32年ぶりに登場した新薬です。

慢性的な便秘の人にも有効的な薬で、そういった患者にも処方されています。

それでも便秘の改善がない場合は、下剤や矢印消化管運動促進薬といった薬が使われます。

腹痛症状がひどい場合の薬

過敏性腸症候群だと「下痢だけ」、「便秘だけ」という症状の人は少ないと思います。

ほとんどの人が、下痢と腹痛、便秘とお腹の不快感というように、腹痛やお腹の不快感がセットになっています。

そういった場合に処方されるのが以下3つの薬です。

・消化管運動調整薬
動きが激しくなっている腸をコントロールしてくれる作用があり、腹痛の改善の他にも下痢や便秘などの症状を和らげる効果もある薬。
・乳酸菌製剤
悪玉菌や善玉菌などのバランスや腸内環境を整えてくれる効果がある薬。腹痛・排便症状のどちらにも使われる薬です。
・高分子重合体
食物繊維の作用を強くしたような薬で、腸内の水分を調整する作用があり、便秘と下痢どちらにも用いられる薬です。

それでも、腹痛や排便症状が治らない場合は、抗コリン薬という平滑筋の収縮を抑制して腹痛やお腹の不快感を和らげる薬にシフトしきます。

治療薬の最終形態は脳に作用する薬

何度も言うようですが、過敏性腸症候群の一番のネックはストレスや精神的な部分です。

そのストレスや過度な不安・緊張を軽減させてくれるのが脳に作用する薬です。

  • 抗うつ薬
  • 抗不安薬

ネーミングだけ聞くと、「いよいよ俺もヤバイのか・・・」と悲観してしまいますが、過敏性腸症候群の症状を和らげる効果があるため、医学的に有効的な治療薬なんです。

抵抗がある人も多いですが、長期的に続く過敏性腸症候群の症状でノイローゼ気味になり、うつ病や不安症にまで発展するよりかは、そこまで行かない段階で服用することにで併病を避けることができます。

また、こういった精神薬がとても有効なケースもあるのも事実です。

お守り代わりとして持っているだけで、精神的に効果がある薬とも言われています。

心療療法で過敏性腸症候群を治す!

ストレスを中心とした精神的な要因が左右する過敏性腸症候群なだけに、心療療法も効果的な治療方法とされています。

例えば、毎回電車に乗ると激しい腹痛が襲ってくるという人の場合、「電車=腹痛」という風に連想され、これによって激しいストレスや不安・緊張を感じてしまい過敏性腸症候群の症状が現れるようになります。

いわば電車に乗るだけで、もう気持ちが負けてしまい、「絶対に腹痛が襲ってくる」という思考回路が出来上がっているんです。

こういったTHEメンタルが原因となっている状態に心療療法が行われます。

  • 心理療法
  • 弛緩法
  • 催眠療法
  • 認知行動療法

など、色々な心療療法はありますが、その人の症状例、性格、精神状態、思考の癖など色々な角度から分析をして、その人に的確な方法が行われます。

医師のアドバイスや協力がなければ、成り立たない療法になるので、個人で勝手に行うのはやめておきましょう。

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